目標コンバージョン単価のメリット・デメリットとは?

アガルトマーケティング代表の春田です。

広告運用されている企業様・運用者様であれば、Googleから広告改善の電話があり、目標コンバージョン単価設定を推奨され、そのまま設定されている方も多いでしょう。

しかし、目標コンバージョン単価設定にはメリットだけではなく、デメリットが存在します。
目標コンバージョン単価を実施したからと言って、必ずしもコンバージョン数の改善につながるわけではありません。

今回の記事をご覧になって目標コンバージョン単価のメリット・デメリットの両方について把握しておきましょう。

※目標コンバージョン設定に関してはポジティブな記事ばかり目立ち、デメリットに関する情報が検索結果に現在0件(2019年11月)だったので、全てのアカウントに効果があるとは言えない事を知っていただければと思います。

※実際にわたしは毎月20件以上アカウント運用を行っていますが、目標コンバージョン単価で逆効果となってしまう事もあります。

目標コンバージョン単価とは?

設定した目標コンバージョン単価以下でコンバージョン数を最大化させる自動入札のひとつを指します。

目標コンバージョン単価のデメリット1:クリック単価が上がる可能性がある

目標コンバージョン単価を設定することによって、クリック数の最大化の時よりもクリック単価が上がる可能性があります。

ではなぜ、クリック単価が上がってしまうのでしょうか?
その原因はいくつか考えられます。

1.学習期間でクリック単価が上昇
2.インプレッションシェアが下がる事でクリック単価が上昇
3.コンバージョンが取れそうとなった際に自動入札で高めに機械が入札するため
4.過去のコンバージョンが少ないため

1.学習期間でクリック単価が上昇

特に目標コンバージョン単価では、学習期間中に大幅にクリック単価が上昇することがあります。
2週間程度は様子を見る必要があります。

2.インプレッションシェアが下がる事でクリック単価が上昇

コンバージョン数の最大化では、コンバージョンを獲得する為にコンバージョンが取れやすい時間帯や、取れるであろうユーザーに効率的に広告を配信しようとします。

すると、クリック数を多く集めるクリック数の最大化では、検索結果に表示されたであろう広告が、目標コンバージョン単価だと機械が自動で判断して広告を出さない事があります。

結果としてインプレッションシェアは下がります。
インプレッションシェアが下がる事で、機械学習に必要な量がグループで蓄積しにくくなってしまいます。
そして、クリック単価の上昇に繋がります。

Googleはhagakure運用を機械学習の為に推奨していますが、1つのサイトで複数のサービス展開している場合など、グループを細かく分けなくてはならない場合があります。

そうなると、目標コンバージョン単価の場合、機械学習が進まずに最適な効果が得られない可能性もあるので注意が必要です。
グループを細かく分けている場合は、機械学習のためにもクリック数の最大化の方がインプレッションシェアが上がり、コンバージョンが多く取れる事は全然可能性としてあります。(広告ランクにも影響)

3.コンバージョンが取れそうとなった際に自動入札で高めに機械が入札するため

目標コンバージョン単価では、コンバージョンが取れそうな場合は機械が自動で判断し、入札単価を調整します。
それによってクリック単価が上昇する場合があります。

Question:では、あまりにもクリック単価が上昇してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

Answer:その際は、ポートフォリオ入札戦略を使用しましょう。
ポートフォリオ入札戦略を使用することによって目標コンバージョン単価の入札上限を設定する事が可能です。
ただし、Googleの非推奨ではあります。

ポートフォリオ入札戦略の設定方法などを詳しく知りたい場合は下記を参照してください。
参考:https://support.google.com/google-ads/answer/6268632?hl=ja

参考:https://rincrew.jp/column/google_smartbit_portfolio_20190311

4.過去のコンバージョンが少ないため(蓄積されていない)

目標コンバージョン単価は、過去のコンバージョンの蓄積によってより高い効果を発揮します。
コンバージョンのデータが十分に集まっていない場合には効果が芳しくない結果になってしまう事も。

※コンバージョンを獲得していない段階でも、目標コンバージョン単価で効果は見られるとGoogleは言っていますが、広告運用開始早々は、過去の運用経験からクリック数の最大化を推奨します。

目標コンバージョン単価のデメリット2:予算を消化できなくなってしまう恐れも

目標コンバージョン単価の設定で、設定した金額の中でコンバージョンを獲得しようとする為、目標コンバージョン単価設定を低くしてしまう事により、予算が消化できなくなってしまう事があります。

運用初心者の方が失敗してしまう例として、コンバージョンを低い費用で獲得しようとして、目標コンバージョン単価設定を低くしてしまう事があります。

Question:では、目標コンバージョン単価設定はいくらに設定すれば良いのでしょうか?

Answer:過去のコンバージョンデータが蓄積されていれば、推奨の金額が記載されていますので、まずはその金額で配信しましょう。目標コンバージョン単価の設定は、それから様子を見て調整することをわたしは推奨します。

また、決められた予算は必ず消化しなければならない場合は、目標コンバージョン単価ではなく、コンバージョン数の最大化を利用しましょう。

▼スマート自動入札によるコンバージョンの最適化を試してみるの詳細より

コンバージョン数の最大化のスマート自動入札を使用すると、予算全体を使おうとしながらコンバージョン数を最大化するように自動的に入札単価が設定されます。

1 日の予算額をご確認ください。「コンバージョン数の最大化」は 1 日の予算全体を使おうとするため、現在予算を大幅に下回っている場合は、「コンバージョン数の最大化」を使用することによって費用が大幅に増える場合があります。

投資収益率の目標をご確認ください。キャンペーンでコンバージョン単価や広告費用対効果の目標値を設定している場合は、入札戦略を目標コンバージョン単価または目標広告費用対効果に切り替えてください。これらの戦略では「コンバージョン数の最大化」と同様、各オークションの入札単価が自動的に設定されますが、コンバージョンを最大化するために予算全体を費やすのが目標ではなく、設定した平均コンバージョン単価や平均広告費用対効果を達成することが目標になります。

目標コンバージョン単価を設定するタイミング

目標コンバージョン単価(コンバージョン数の最大化)のデメリットについてお伝えしましたが、目標コンバージョン単価の設定はいつのタイミングで行えばいいのでしょうか?

個人の意見としては、クリック数の最大化でコンバージョンのデータが蓄積し、クリック数の最大化ではコンバージョンの伸びが期待できなくなった時に、ひとつの手段として設定すると良いでしょう。

コンバージョンを獲得したいから目標コンバージョン単価(コンバージョン数の最大化)にするという安直な考え方はNGです。また、Google広告の方から電話を受け、目標コンバージョン単価を薦められて、そのまま設定してしまうのもNGです。

コンバージョン数を高める為に行える事は、目標コンバージョン単価以外にキーワードの選定や、除外、広告文の修正などやるべき事はたくさんあります。

全てのアカウントで目標コンバージョン単価が広告改善に役立つわけではありませんので、実際に試してみてPDCAを回すようにしましょう。

結局のところ目標コンバージョン単価を利用した方がいいの?

アカウントによって効果は異なる為、目標コンバージョン単価も広告改善手段のひとつとして考えてもらえればと思います。
広告運用者の方で、何も考えずに目標コンバージョン単価を設定されている方があまりにも多くなっていると危惧しているので、アカウントの状況を見て判断しましょう。

まとめ:目標コンバージョン単価のデメリットを徹底解説!

いかがでしたか?
目標コンバージョン単価を設定することのポジティブな記事ばかりで、デメリットについて解説している記事が2019年11月現在なかった為、ご紹介いたしました。

目標コンバージョン単価はあくまで、広告改善の機能のひとつとして利用していただければと思います。

 

アガルトマーケティング代表-春田-

保険会社営業職を経て、SEO専門のWebマーケティング会社に転職。Webサイト制作やコンテンツマーケティング、SEOコンサルティングディレクターを行う。これまでに100社を超えるSEO施策、またコンテンツマーケティングに携わっている。 ▼Webマーケティング保有資格 SEO検定1級 Googleアナリティクス個人認定資格 その他Google公認資格多数保持